仏教的視座ーヴィパッサナとコミュニケーション・プロセス・デザイン

18歳の頃から始まった自己探求。勉強、遊び、恋愛、旅、サブカル、社会人の真似事、、、やりたいことには正直に、貪欲に。

その核にあったのは、自分の魂と繋がること。

最初は自分でも言っている意味はよくわかっていなかったと思う。「魂ってなに?心臓?人魂?」とついビジュアルを想像したくなったりして。でも、胸の奥の奥の、誰の手にも届かないところに、自分を突き動かす何かがあることは知っていて、例えば「神」という言葉のように、見えないものを具体化するために「魂」という言葉を選びとっていたのかもしれない。

私の場合、自分の魂と繋がること=人間の精神を理解すること、だった。だから、東洋/西洋哲学、心理学、文化人類学、宗教学などの講義を取り、図書館に入り浸った。そのうち書物漁りでは飽き足らなくなり、瞑想なるものを試し出した。高野山で阿字観を学び、月輪観を体験し、鎌倉の臨済禅を嗜み、アメリカ西海岸にて曹洞禅に辿り着いた。知的好奇心から始まった瞑想との関わりは、いつしか悲しいときや辛いときに心を静める大切な時間となった。

28歳で生けるものとしての不条理な挫折を味わい、完膚なきまでに打ちのめされた私は、日本に帰国して放心状態だった。そんな中で出逢ったのがヴィパッサナ瞑想。ゴータマ・シッダールタが仏陀となった際に行なっていたとされる、心を浄化するための瞑想法だ。意味は「あるがままを観る。」

ヴィパッサナ瞑想では、物質的な人間の肉体を徹底的に解剖していく。

どうやってするのか?

ひたすら「呼吸」を捉えることに全神経を注ぐ。そして呼吸を軸に、身体の感覚(センセーション)を皮膚、爪、髪、筋肉、骨、血管、内蔵、脳、さらには細胞レベルでまで知覚できるように意識を研ぎすませていく技術だ。

私たちは起きている間はもちろん、食べていても、寝ていても、セックスしていても、泳いでいても、植物状態になってさえ、必ず呼吸をしている。死ぬまで変わらない唯一の事実。それは呼吸だ。幸せなときも、恍惚としたときも、緊張しているときも、怒っているときも、泣き叫んでいるときも、我慢しているときも、呼吸は続く。仏陀は、呼吸の「自然な」状態を観察する能力を培うことで、心を一時的に穏やかにするだけでなく、心や頭の乱れの根本を捉え、心をまるごと浄化し、苦から逃れる術を確立し、涅槃に至ったと言う。呼吸の自然な状態とは、意図的にコントロールすることなく、呼吸が浅ければ浅い、息苦しければ息苦しい、微々たるものであれば微々たるまま、一瞬一瞬の呼吸の質を観察し、認識し、それに対して反応をしないということ。

人間活動の最小単位を呼吸と定めてアプローチした仏陀。

ヴィパッサナ瞑想を始めてから間もなく、私は長かった学生モラトリアムに終止符を打ち、「コミュニケーション・プロセス・デザイナー」という職業を創ってフリーランスとして動き出した。この根底には、次のような世界観がある。

私たちは、コミュニケーションを絶やすことはない。友達や家族、恋人と一緒にいても、商談でも、授業でも、診察を受けていても、セックスしていても、スポーツしていても、一人でいても頭の中のもう1人の自分と、寝ていても夢の中で、コミュニケーションをする。だから、自分のコミュニケーションがどのような過程を踏んで成り立っているか、自分のコミュニケーションスタイルがどういったもので、それがどう周囲や自身に影響を及ぼしているのか意識化することで、毎日が笑顔で美しいものになると考えた。いつでも幸せでいられるわけではないけれど、辛く悲しい状況になっても、自分のコミュニケーションの術を心得ていると、落ち着いて感情を受け止めてあげることができる。

人間活動の最小単位はコミュニケーションである、と考えて生み出したコミュケーション・プロセス・デザイン。

こんなところに共通項があったとは。

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