2012年の仕事納めの日に

2012年12月18日に開いたTEDxTokyo 2013チームのキックオフにて、TEDxTokyo オペレーションディレクターを正式に引退しました。

2009年1月24日に青山で開かれたワークショップで偶然トッドに出会い、2月に自由が丘のカフェでパトリックと3人で話をし、カーラという女の子と一緒にローンチチーム立ち上げのために動き始めました。トッドが思い描くbig pictureのあらすじと、そのためにTEDxTokyoを5月にやると聞いただけ。他には大した情報も知識も指示も枠組みもありませんでしたが、迷いも不安も恐れも同じようにありませんでした。なにもなかった。

5年の時を経て突如、日本に再適応しなければならなかったこと。新卒じゃないくせに就労経験ゼロで仕事を見つけなければならなかったこと。そろそろ社会に居場所を見つけなければこのまま落ちてくという腐敗臭のようなものが漂い始めたこと。振り返ってみれば、不利なカードばかりが手元に残っていたけれど、それさえどうでもよくなるような絶望にまみれていたなぁと思います。父の無惨な死は、私にこの世の無情を叩き付けました。たった28年ですが、それなりに築き上げてきた価値観が粉砕されました。この世に生を受けたものとしての限界と、わたしの限界がピッタリと一致した時でした。

死なない限りはなんとかなる。それ以外はすべて下らない。本気でそう思っていたので、当時はイメージと可能性以外は何もなかったTEDxTokyoという得体のしれぬものに飛び込む決意をすることも、そこでフリーランスの道を開拓していくことも、恐れや不安を呼び覚ましませんでした。失敗したってそれが何なの?生きてるんなら、なんでもいい。「毎日の生活」と「働くこと」と「死」に繋がりが見えたころ、社会人1年目を走り出しました。亀の甲より年の劫。

時間とコミュニケーション能力と組織心理学の知識だけはあった私にとって、野原のようにだだっ広くて「動いたもん勝ちだよ。どんどん好きにやっちゃって!」なTEDxTokyoは最適なコンテイナーだったんだなぁ。改めて納得。「これはよい乗り物になる!」という直観は正しく、觔斗雲のように、1人では辿り着けない所へ次々と運んでくれました。

2010年からはオペレーションディレクターとして(英語ではCommunity Catalystだけど、日本ビジネス界には通じないので何となくつけたw)チーム育成、コミュニティデザイン及びカンファレンス企画執行をやってきました。並行して、TEDxTokyoのスピンオフであるTEDxTokyo yz を代表として始めました。こっちはパトリックとトッドが完全に任せてくれたので、「新しい組織論を作る」という野望な実験を本格始動。2歳半となったTEDxTokyo yzコミュニティは健やかに育ってくれています。2013年2月2日に開催予定のイベントで卒業となりますが、私の弟たち妹たちが引き継いでいってくれるでしょう。

今年の4月25日、人間という動物として生を堪能するという茫洋たる目的のもと(私にとっては単純明快、確固たるものですが)渡欧を予定しています。2008年4月24日に父が他界し(ちなみに父が死んでから「24日」とは因縁があり、摩訶不思議に人生のマイルストーンな出来事が24日に起きてきました。トッドと出会ったのも24日だとさっきカレンダーを見返して発見)、アメリカから帰国したのが翌4月25日。5年目にまた出ます。

そうそう、33歳のお誕生日に「今年の漢字は?」という質問をもらいました。

「出」

です。

「出る(デル)」

「出る(イズル)」

日本の土では発芽しない私の中に宿る種。ヨーロッパという未知の土に触れることで、芽を出してきます。

TEDxTokyo yz コミュニティ集会

TEDxTokyo が一段落ついたので、お次はTEDxTokyo yz !

TEDxTokyo yz は TEDxTokyo というブランドを共有する弟分的コミュニティ。後者が worldwide thought leaders and innovators who are already established and proven、言ってみればジェネレーションXの先達のpeer-groupなのに対し、私が代表を務める前者は10〜30代、つまりジェネレーションY&Zに焦点を当てている。TEDxTokyo Conference が3年目の大成功を納めた今、この2つのコミュニティをミックスし、さらなる化学反応を生み出すべく触媒(カタリスト)として動いています。

昨日はTEDxTokyo 共同創始者の1人パトリックの学校、Tokyo International School の一室を借りて、TEDxTokyo yz のコミュニティ集会をしました。TEDxイベントをやったわけではなく、過去3回の TEDxTokyo yz イベント(ver.1.0, Theater, Lounge) に関わったチームメンバー、参加者、スピーカー、サポーター、新しく入ったメンバー、そしてちょっと興味を持ってくれてる人が、40名弱集合してゆるりとチルアウトする、なんでもない時間。

まずは私から

  • TEDって何?
  • TEDxプログラムって何?
  • TEDxTokyoって何?
  • TEDxTokyo yzって何?

という4つの重要だけどこんがらかりやすい話をしました。それから、Theaterのディレクターをやり、このほどTEDxKids @Tokyo という新しい看板を立ち上げた竜太が参加した TEDxShanghai と TEDxTaipei のレポート、昨年12月にワシントンD.C.で開催されたTED本体のカンファレンス、TEDWomen に私が参加した時のレポート。インドの旅話もちょこっとしたよ。

食べ物をつまみつつお酒も入り、場が暖まってきたところで今度はみんなが話す番!ということで、ideas worth spreading をみんなで共有するアクティビティを用意しました。私はTEDxTokyo yz イベントのスピーカーキュレーションをしながら、各スピーカーのプレゼンテーションをTED-likeにするためのコーチングをやっています。その経験を元に、「TEDx talk の作り方」と「プレゼンテーションコーチング」の tips を教えるミニレクチャーをしました。

そして4、5人のグループに分かれてもらい、各グループからスピーカーを1人選出。残りの人はコーチ役となり、スピーカーが提示するアイディアを3分間のTEDx talk にまとめるお手伝いをしていきます。時間は30分。

きっかり30分でグループワークを終了、6名のスピーカーが持ち時間3分という短時間でfantastic TEDx talks を繰り広げてくれました。ほんの少しだけ tips を教えただけなのに、4、5人で語り合いながら誰か1人のプレゼンテーションを練り上げると、こうも力強い作品が出来上がるのかと、仕掛けた私自身が驚き。いや、ほんとみんな堂々と、自然体で話してくれて。アイディアをロジカルに構築しながら、自分の実体験からくる素直な感情面も上手に織り交ぜて、脱帽の出来映えでした。感動。全員のビデオを撮ったからどこかに載せたいね。dotSUBで字幕つけて世界に発信しちゃおうよ。

最後に、TEDx talk の作り方を紹介。

It’s like a boxer reducing his weight.(5分、8分など超短時間のTED-style talk 作成はボクサーの減量のようなもの。贅肉はもちろん、無駄な筋肉すら削ぎ落とします。)

  1. Be succinct to keep the minutes you are given. (簡潔、的確に。3分なら3分。与えられた時間を問答無用で守るべし。)
  2. Be logical. No space to squeeze chit chat!(徹底的にロジカルに。余談や修飾的な接続語を挿入する暇はない。)
  3. Be yourself. Think why it is YOU who gives a talk.(あなたらしく。他の人でも説明できるプロジェクトの概要説明はいらない。どうしてあなたが話すのか、そのことをよく考えるべし。)
  4. Be emotional. Show your enthusiasm and raw emotions.(感情豊かに。生の気持ちを晒すべし。)

プレゼンテーションコーチングのtipsは以下のようなもの。

  1. Ask what’s really important to the speaker. “What matters to you in your idea?” —Three mins are short. Be sure that three mins consist of all necessary words. No waste of words! (スピーカーにとって何が一番大事か聴くこと。3分は短いので、無駄な言葉は要らない!)
  2. Think of what most strikes you, coaches. Your personal subjective opinions value a lot. Believe in your instinct as a coach.(スピーカーの話を聞いて、あなたはどう感じたか、何に突き動かされたか、個人的な感想を伝えてあげましょう。コーチとして、自分の主観、動物的感覚を信じること。)
  3. A topic that the speaker likes may not be the best for him/her. Don’t get stuck to the initial topic, but dig deeper and wider to explore the speaker’s potential.(スピーカーが提示するプレゼンのネタはもしかしたらその人に一番良いものではないかもしれない。そのアイディアに縛られずに、スピーカーの引き出しをどんどん開けて、潜んでいるものを探りましょう。)
  4. Nonetheless, be respectful to the speaker’s thoughts and feelings. Don’t push your opinions and advice onto the speaker. Don’t kill what s/he is passionate for.(とは言うものの、やはり一番尊重すべきはスピーカーの思い。コーチとしての自分の提案やアドバイスを押し付けて、スピーカーの純粋な情熱を消してしまわないように。)

プロフェッショナル。ボランティア。プロボノ。そしてパーソナル。

プロフェッショナルってなんだろう。

ボランティアってなんだろう。

プロボノってなんだろう。

パーソナルってなんだろう。

私にとってこれらの線引きは曖昧。

「仕事」や「プロ」と呼ばれるものが「金銭を支払われる」という「契約」に基づくのであれば、私のプロとしての仕事の割合は、コミュニケーション・プロセス・デザイナーとしての全活動の半分くらいかもしれない。日本の大学を卒業してから就職せずに渡米し、大学院を終えて、アメリカでも就業経験がないまま日本に帰国することになった。それから半年くらいは「仕事」はしておらず、いきなりフリーランスの道を走り始めた。今年で3年目になる。まだまだスタートアップの私にとって、しかも職業の概念そのもの、仕事そのものを1つ1つ創りながらやっているので、金銭を軸としない就業形態になることがある。それは、端からは「ボランティア」とか「プロボノ」と表現される。あるいは「お金にならない仕事」とか。

資本主義ベースの貨幣経済に生まれた私たちは、お金がないとサステナブルな生活は送りにくい。ここで机上の空論を展開するのは無意味だと考えている。お金は大事。お金自体はツールであって、原因ではない。その運用方法が限界にきているだけ。それに、私は豊かな都市圏で暮らすことに慣れていて、それも一概に悪だとは思わない。生まれ落ちた時代、与えられた現状の中で、自分の価値観と社会や文化、自然を照らし合わせながら、さらには違う国や地域の文化や風習からも学びながら、どんな生き方にしていくか毎日の小さな選択を積み重ねている。

その一方で、私はお金にあまり執着がないというか、お金を生み出すという行為にあまり注力できない人間であることも知った。フリーランスとして食べていってるから can ではあるんだけど、shouldって思ってないな〜と。文字通り、その時その時にいただくもので生きていってる。お隣さんからおかずを分けてもらうフランクさで、お金のやり取りをしている気がする。実際に、お金以外の形でいただくことも少なくない。(working exchangeもそうだし、忘れた頃に「海外のカンファレンスに行ってきなさい」ぽーん!だったり。2ヶ月旅に出てもみんな心から笑顔でその意義を理解し待っててくれたり。)

私にとって「プロ」や「仕事」と言われるものは金銭契約とは関係がない。それがあろうとなかろうと、私のpresence と知識、経験、パフォーマンスを信じて案件を振ってくれる方々に、責任とクオリティーの面でプロとしての役割を果たす。特に、コミュニケーション・プロセス・デザイナーが提供するものは、これまでの市場にない価値形態であり業務内容だから、まずは見て触れて体験してもらって関心や信頼を得ることが必要。いきなりcurrent marketのルールに則る(金銭契約)のが難しいのは当然。Something strangeにbidするって、芸術以外ではハードル高いよね。

そんなわけで、プロフェッショナル、ボランティア、プロボノといった間仕切りは I comprehend it but don’t follow it.

TEDxTokyo や TEDxTokyo yz で私がやっていることは、私にとってはプロとしての仕事。実践/修練の場。私は将来、こういう仕事(プロジェクトベースで次々に組織をローンチしたり、その周辺コミュニティをデザインし、育てていく)が “paid” なメインストリーム市場として成立すると信じてるから先行投資としてやっている。いわゆるボランティア活動という認識は微塵もない。既存のものとは違う社会/経済/政治体系を創り、そのエコシステムの中でおもしろおかしいアイディアがどんどん形になっていく— そんな容れ物をデザインし、こねこねしていく人がコミュニケーション・プロセス・デザイナー。(加えて、自分が構築しているシステム内で、自分のキャリアデベロップメントも行ない、プロトタイプとして提示するという2重構造。)

TEDxTokyo について「ボランティア組織をデザインし、まとめる」という言葉を便宜上使っているけれど、お金という契約を結ばずして、 “Ideas worth spreading”  “Open Source” “Creative Commons” といった哲学から新しい社会システムを築こうとしているTEDとTEDxTokyo を、不特定多数に説明する際に一番端的な言葉だからというだけ。「端的」だけど「的確」だとは思っていない。実際、TEDxTokyo と TEDxTokyo yz コミュニティからは、実際のビジネスプロジェクトやenterprise、新たなコミュニティが出現していっている。まだ、初期段階でsystematicなプロセスデザインになっていはいないけど、まさに「ソーシャル・インキュベーション・システム」として機能し始めてる。あるいは、メタコミュニティか。

この辺りは、「ボランティア」というカタカナ語の持つニュアンスの問題もあるんだよね。英語の voluntary — volunteer には、「ボランティア」の持つアンプロフェッショナルな感じや、組織側の「お金がなくて払えません!」「お金払わないのが原則」的な香りはそこまで強くない。あくまで「お金は受け取りません」というボランティアを提供する側のスタンスに重きがあると思う。

もう1つ。プロフェッショナルとパーソナルの境界線。これも曖昧。

私はコミュニケーションの「過程」「how」をデザインする人。そのフィールドを、組織形態や規模、産業、業種、年齢、国、文化などで絞っていない。ビジネスでも夫婦でも親子でも学校でも病院でも地域でも国際社会でもバーチャルでも、他人に対しても自分に対しても、コミュニケーションのエッセンスは同じ。そこに組織心理学や臨床心理学、東洋哲学やボディワーク、アートの方法論や技法を取り入れてやっている。

家族との関係作り、友人との愛情交換、恋をする時、1人の時間を過ごす時。こういった日常すべてが、コミュニケーション・プロセス・デザイナーの私にとって学びと実践の場。プロとしていつも気を張りつめているという意味じゃなくて、パーソナルもプロフェッショナルもないなーという、それだけ。

人間を追求すること、コミュニケーションのことが仕事だから、一瞬一瞬の触れ合いがプロフェッショナルデベロップメントに繋がってる。スキルアップになったり、新しい仕事をもたらしてくれたり。なんでパーソナルとプロフェッショナルを分けてるんだろう。そういう言葉(概念)があるからかな?だとしたら、言葉に操られて思考が固定化され、それに行動選択が影響されているのかも。人間は自分が編み出したものに逆に操られちゃうんだね。機械とか。言葉とか。

話が逸れてきたのでこの辺で。

TEDxTokyoの組織論的舞台裏

TEDxTokyo という得体の知れないもの。

そのチームを繋ぐkey roleをしている得たいの知れないワタシ。

実のところ、自分がTEDxTokyoに関わるようになったのは、TEDを知っていたからでも、TEDtalksに感銘を受けていたからでもない。そもそも私が最初に出会ったのは、TEDxTokyo Co-founder の Toddと、まだまったく形がなかったTEDxTokyoという概念だった。それから、「母体がアメリカ西海岸発祥のTEDってものなんだよ。」と彼に教えてもらった。

じゃあ、どうしてTEDxTokyoをやることになったのかというと、純粋に「組織論の実験場」になる♪(* ̄ー ̄)v!!!という思いからだった。なんとも応用(人文)科学系院生活終了間もなかった(と言っても1年経過していたけど)人らしい発想。

以前ブログにも書いたように、私は、現行の西洋哲学に裏打ちされたパラダイムから端を発する「組織学」とは違った組織論がすでに展開されつつあると感じていたし、さらに押し進めた新しい形の組織を創ってみたいという欲求があった。「TEDxTokyoでそれが試せる!」というシグナルが、私をそこに飛び込ませた。

Toddとの出会いから1ヶ月後、当時スタンフォードより日本の大学にteaching exchangeで滞在していたカーラと一緒に、チームをスクラッチから作っていくという任務を遂行することとなった。Toddの家にあった何千という名刺の山と、彼がコツコツと貯めたプロフィールデータを1つ1つ整理し始め、連絡を取り、小さいイベントを開催し、徐々に黎明期コアチームを築いていった。それから2年半。私のTEDxTokyoチームデザインとコミュニティビルディングは終らない。

なんと言っても、十人十色な個々人が集まってボランティアベースでチームを作るのは大変。しかも、TEDxTokyoという蜜に吸い寄せられる蜂や蝶は一筋縄ではいかないキャラ立ち揃い。この人たちと信頼関係を築き(人間的にも能力的にも)、彼らの声を丹念に聴き、そしてリーダーとして声を発し(私はリーダーでもないんだけど、リーダーシップは発揮してる。リーダーという「人」と、リーダーシップという「能力を発揮する人」は別ものなんだと思う。)、それに耳を傾けてもらえるようになるには、love and care and persistence が必要。

具体的にどんなスキルセットが必要か、最近見えてきたので領域別に書いてみると、

  • 愛と信頼を育むコミュニケーション力
  • 組織デザイン力
  • 人のマネージメント力
  • 人の育成力
  • プロジェクト/タスク・マネージメント力
  • プロジェクト・ファシリテーション力
って感じでしょうか。

上記をさらにブレークダウンすることができるけど、それは次回に置いておく。

多くのリーダーに不足しているのは組織デザイン力。不足しているというより、そもそもその視点がないので、competency を伸ばしようがない。

Beware! なのは、プロジェクト・マネージメント力とヒューマンリソースマネージメント力はまったく違ったものだということ。前者ができると後者もできると思い込みがちだが、後者が抜け落ちている場合が少なくない。契約に基づき、明確な役職、責任、インセンティブが設定されている従来の組織であれば、プロマネ力だけでも力技で進んだりするんだけど、ボランティアベースで繋がり方がまったく違う組織内では、この両方を併せもっていることが特に大事で、片方だけが得意な人がリーダーになる場合は、別の人とツートップにして補完すること。あるいは、ヒューマンリソースマネージメント系を組織横断的に見ていくチームを別個作る(多くの会社組織はこれ)。ただ、ボランティアベースの場合にこのやり方をすると、組織が拡大すればするほど重荷になってしまうから、うまいハイブリッドポイントを見つける必要あり。

もう1つ鍵になるのは、マネージメント力(中央管理/監督)とファシリテーション力(自治を与えてエンパワメント)の二刀流であること。前者だけだとガチガチの組織風土になって結局コーポレートの二の舞になり、「じゃあなんでボランティアなの?」みたいなそもそも論になるし、後者だけだと、よくある情熱ありきで物事決まらない進まないの大混乱になる。TEDxTokyo に集まる人は基本、超高速なので、スピーディーかつリズミカルに結果を出していくプロセスデザインをしないと中だるみになる。あとは、アウトプット量が莫大なので速くないと追いつかないってのがそもそもある。今更言うまでもないけど、どんなものを生み出す(製造/生成)組織かで、集まる人も変わるし、組織文化も変わっていく。

In any cases, リーダーに必要不可欠!なものとして絞り込むならば、

  • 愛と信頼を育むコミュニケーション力
  • 組織デザイン力
  • 人の育成力
  • プロジェクト・ファシリテーション力

の4つかな〜。

人のマネージメントと、プロジェクト/タスクマネージメントは、チームメンバーに任せていい。

リーダーは火や風っぽい人が主流だしパワフルだけど、水や土っぽい人もいい気がするんだよねー。(すごい抽象論に一気にすっ飛びました。)全部の要素があればベストだけど、これからは後者のニーズが増えるのでは。

話を戻して、忘れてはならないこと。

TEDxTokyoという得体の知れない組織が、得体の知れないアウトプットを世に送り出し成功し出している秘訣は、TEDのプラットフォームとそこが提供するプログラムをうまい具合に有効活用してること。揺るがぬ哲学と世界観がある。TEDx ライセンサーは、そこを創る必要はもうない。(これが足枷になることもあるが。)

TEDにとっても、TEDxというスキームがなければ自らの哲学を実践に落とし込むことができないので、見事な相互依存ができている。TEDx 組織はTEDに依っているし、その逆もまた然り。自然の生態系に見られる共生によく似ている。これがTEDという新しい組織モデルの旨味。(注:TEDの組織モデルと、各TEDx の組織モデルは共通点はあるがまったく異なるもの。TEDは材料の一部と足場を用意してくれているけれど、実際に土を掘り起こし、土台を固め、設計図を引き、組み立てていくのはローカルのTEDx のリーダーの理念に依る。TEDは木の幹であり、枝葉がどのような形でどのようにして伸びていくかは太陽や水任せ、という感じ。)

そして、TEDxTokyoの成功の一翼は、明確なリーダー、Co-founders の Todd & Patrick の存在。なにより、彼等は信頼され愛されている。ここが1番大事。「まー、しょーがねーからついてってやるか!」と「うわ、この人まじヤヴァイ、やっぱすげーな!」を両方味わえる旨味度が高いリーダー。ちなみにPatrickは火と風を両方持ってて、それだけでも素晴らしいのだけど(普通は火だけとか風だけ)、Toddが土っぽいので絶妙なカップリング。たまに、火が燃え移って地面も火柱上げてるけど(笑)。そこに今度は風が吹いて、火が消し止められる。

これからの組織は、誰でもがリーダーシップを取るエンパワメント型、組織構造はネットワーク型で、collaborative なやり方がますますトレンドになる。しかし、それでも大きなビジョンを打ち出す/まとめるリーダーシップは要る。テントを立てるには、どんな形にしろ、ポールの本数や力点の数は変われど、支点が肝になる。支点って、どっか上の方に飛び出てるもんじゃないんだよね。リーダーも一緒。前に出て引っぱっているだけがリーダーではない。力学の問題と組織論は似ているかもしれない。

11月30日に自分ファンドレーザーします!

TEDxTokyo のオペレーションディレクター、TEDxTokyo yz の代表として活動して2年弱となりました。TEDx は単発/瞬間的ではあれど、多くの人のエネルギーを集める契機となるカンファレンス/イベントです。

その運営を基軸として、

  • おかしなお金の回り方
  • おかしな国の動かし方
  • おかしな学校教育
  • おかしな医療制度
  • おかしな会社勤め
  • 毎日疲れちゃうな〜
  • 東京混み過ぎじゃない?
  • 赤ちゃん育てにくいわよねぇ
  • やりたいことやれてねーなー
  • そもそも働くってなに?

など、「?」を「uh huh!」に変えていくためのアクション・コミュニティーを創る、という私のビジョンを具現化するためにやっている大きなプロボノプロジェクトです。

地球に生きる私たち人間、特にこの愛しき島国に生まれついた自分たちが、おもしろおかしく幸せに生きていくためにはどうしたらいいだろうか、という私なりのアイディアを形にしていっています。

へー!おもしいことしてるね!ということで、TEDが初めて「女性の生み出す未来」というテーマで、12月7,8日にアメリカ、ワシントンD.C.にて開催する TEDWomen に招待されました。

今さらフェミニズム?男女平等?女性起業家?なになに?

と思う人もいるかもしれない。

でも、現実問題「女性」というテーマは世界的に見てまだまだ大きいんだと思います。社会的、経済的、宗教的、生理学的、身体的、、、、な視点から言って。こういった切り分けや既存の概念を越えた、女性のありのままを伝える場がTEDWomen であることを期待しています。

で。

この栄誉あるオファーを受けたい!

とは言っても先立つものが必要です。

そこで、11月30日は31歳の誕生日なので、その1週間後の12月6日に旅立つ私にプレゼントとして、渡航費及び滞在費をサポートしてはいただけないだろうか、とファンドレージングお誕生日会を開くことにしました。なんとちょうどいいタイミングにお誕生日がやって来るのだろう!なんとずる賢い私(fundraiser culture Bay Area で培ったポジティブマインドと受け取っていただければ幸い)。

かわいい子には旅をさせろじゃないですが、日本女子力を世界に!ということで、お誕生日を一緒にお祝いしていただけたら嬉しいです。

場所:TBA (都内某所)

時間:夜(多分19〜22時くらい)

目的:お誕生日会及び、TEDWomen参加の渡航滞在費をお誕生日プレゼントとしていただく(爆)

内容:企みちう

ご興味のある奇特な方はコメント、メールください。

ツイッター @nafnaf

よろしくでーす。

ワークショップのデザイン

先週木曜日に行なわれた green drinks へゲストスピーカーの1人として呼んでいただきました。テーマはこのブログエントリーと同じ「ワークショップのデザイン」。「ワークショップ的なデザインの仕方でプロジェクトを回す例」としてTEDxTokyoTEDxTokyo yz の “how” の部分をかいつまんで話しました。

モデレーターのYoshから事前にもらっていた質問は3つ。それに対して3つのグラフィックを描きました。

(1)コミュニケーションプロセスデザインって何ですか?

コミュニケーション、プロセス、デザインとは、

「自分のやりたいことを3つのキーワードで表現したらどうなる?」

と問われたら答えとなるエッセンスです。それを繋げて自分の職業名にしただけ。こういう分野や職業がもともとあったわけではなく、ロールモデルがいるわけでもなく。想い描くままにアイディアを形にしている段階です。仕事を始めた頃は、経験も何もない自分が「コミュニケーションプロセスデザイナー」と名乗る自信がありませんでしたし、言ったところでわかってもらえないだろうなぁという不安もあった。だから、「組織開発系コンサルタントです」とか「戦略人材育成やっています」とか「異文化コミュニケーションのトレーニングします」とか「キャリアカウンセリングしてます」とか、聴き手がわかる既存の言葉をとっかえひっかえ使って説明していました。

でも、4ヶ月くらいが経った時に

「言っちゃったもん勝ちじゃない?」

とはたと気づき、コミュニケーションプロセスデザイナーと名乗り出すようになりました。こちらが言ってしまえば、人は私のことをそう認識し、その道のプロとして扱うようになります。周りからの認識や期待に応じ、自我はそれに合わせて行動しようとするので、言ってみれば、自分の夢を叶えるために社会心理学的な他己像とアイデンティティーの関係性を逆手に取った感じです。

コミュニケーションプロセスデザイナーの詳細については別のエントリーで。

次の質問。

(2)いい空気が流れるプロジェクトメンバーを見つける秘訣は?

私がディレクターを務める TEDxTokyo、そして代表をしている TEDxTokyo yz は、「TED」というグローバルムーブメントになっている明確なブランドがあります。TEDからライセンスを取得した独立任意団体が TEDxTokyo および TEDxTokyo yz です。だから、TEDのことを知っていたり、TEDx に関わってみたいと考えている人という時点でマッチングの可能性が高い。自分たちと仲間としてやっていける人かどうかを見極めるのに、自分の組織(会社でもチームでもグループでも)のコンセプトやブランディングを明確に打ち出すことは重要です。その土壌があってこそ、その他の仕組み作りがスムーズにいきます。戦略は大きく3つ。

  1. 人的リソースを最大限活かす(例:信頼している人に「これぞ!」という人を推薦してもらう)
  2. 組織デザイン(例:求める人材を獲得するための適切なアンケートの作成;目指すものと一致した組織風土を維持;組織風土に合った日々の活動プロセスや意思決定方法を選択;これを常に振り返り、改善/調整していく)
  3. コミュニケーション力(例:メールベースで信頼を構築するための文字対話のスキル)

これについても、別途さらに詳しく書こうと思ってます。

最後の質問です。

(3)多様なメンバーを同じ目的に向かって前に進めるにはどうしたらいい?

氷山のモデルを拝借してみました。人間が意識している部分は海面に出ている氷山の一角のようにほんの少しで、氷山のほとんどが海中に隠れているように、無意識と言われる茫洋たる領域があることを説明するモデルです。

これは組織デザインやワークショップデザインにも言えることだと思います。「私たちチームのビジョンはほにゃほにゃです」「今年のうちの会社の目標ははにゃはにゃです」と明文化されたものは意識の上にあるので氷山の見えてる部分。

次にそれらを達成するために起こしている実際のアクションがありますが、それは海面と海中両方にまたがります。つまり、意識できている部分もあるし、無意識になってしまっている行動もたくさんある。

そして、組織に所属するメンバー1人1人のニーズがあります。ここが一番意識されにくい。チームやグループの結成当初は、志を同じくして集まったと信じる人たちですが、いざ目標に向かってタスクを毎日こなすようになると、その方法論の違い、目標をどう解釈するかの違い、目標に対する情熱の違いなどが明るみになります。メンバー個々人がそれぞれ満足し、得たいと願うものを獲得しながら一つの組織としてのビジョンも追いかけていくには、日常的に微調整を図っていくことが不可欠。私のやり方は、細やかなコミュニケーションを取り続けることに尽きます。

これら3つのポイントは、ワークショップという一見「単発」のもの(長くても3〜7日間)をデザインするのにも共通して言えることです。

  • 何を目的としたワークショップで、
  • 誰に参加して欲しいかというコンセプトを明確にし、
  • 参加して欲しい人にちゃんとアピールするようなブランディングをし、
  • 参加者ターゲット層と、達成したい目的に沿ってプログラム全体の流れをデザインします。「ストーリー作り」をしましょう。
  • 徐々に細部に目を向けて、目標着地点に降りられるような最適なメソッドを選んでいきます。(体を動かすアイスブレーカー?ペアワークがいい?自然に出て行く?ワールドカフェ?フューチャーサーチ?独自のを作る?)
  • ワークショップをデザインするファシリテーター側の意図と、参加者の期待値を意識しながら、双方のニーズが満たされるようにします。双方が一致していなくても、2重の意味づけができるようにデザインすれば大丈夫。
  • ワークショップ当日に参加者の反応を観察し、その場に生まれ出る空気に合わせて変更/修正ができるように「余白」を残したプログラムにします。

ワークショップをデザインするのに、複数の人間が集まって何かをする時に一体どんなことが起こりうるか、人間の反応や組織の発達段階についての基礎知識を持っていると、とても助けになります。理論だけじゃどうにもならないのだけど、現場を見ていて不思議に思った人たちが研究して理論が生まれるので、現場にいる人たちは学者が作ってくれた知識をまた現場に戻して活用してあげるのが大事と思います。組織論や社会心理学、臨床心理学、文化人類学などを応用する場がワークショップデザイン!

TEDxTokyo yz ver.1.0 +

今年に入ってから TEDxTokyo yz という10〜30代に焦点を置いたTEDx イベント及びコミュニティ創りを始めています。

「なにそれ?」

という方は詳しくはこちら→ TEDxTokyo yzウェブサイト

ちなみに、「テッドエックストーキョーワイズィー」と読みます。

兄貴分イベントであるTEDxTokyo は generation X を主なターゲットにしたコミュニティです。ここに属する人のほとんどがすでになんらかの分野の先駆者、先達として何十年も活躍し、人的/経済的/物的リソースとネットワークを持っており、社会にアウトプットを出して多くの人に影響を与えています。

このTEDxTokyo の莫大なる資源を活かしていくには、より若い世代のコミュニティも必要じゃなかろうか!っていうか、うちらの世代こそより長い間この世に生きていくし、おもしろアイディアどんどん浮かぶし、エネルギーまだまだあるんだからイニシアチブ取ってこーぜ、ということで TEDxTokyo yz を立ち上げることになりました。1月には私1人だったけれど、3月末には10名前後のチームに育ちました。

先月19日にキックオフイベント、TEDxTokyo yz ver. 1.0 を青山学院の共催によって大盛況のなか終えました。ぱちぱちぱち。本当にみなさまありがとう!!!!! 10数名しかいなかったTEDxTokyo yz コアチームがこのキックオフイベントを以て、参加者、スピーカー、スポンサー、パートナー、当日運営メンバー、ustream視聴者などなどに囲まれて、200人に近いコミュニティへとメタモルフォーズ第1段階を遂げました。第2回は早ければ今夏には開催したいなぁ。コアチームメンバー募集中!興味のある人は naho@tedxtokyoyz.com まで♪

でも、TEDxTokyo yz コミュニティを回し始めたのって、断続的にTEDx イベントを開催する「イベント企画運営」が目的なのではありません。TEDみたいなかっこいい刺激的でエンターテインメントに富んだイベントを開催する、それだけでも実りあることですが、それだけでは、そこで止まってしまう。打ち上げ花火。せっかく打ち上げ花火を見に集まってくれた類い稀なる人びととのネットワークが、ゆる〜〜っと、それとな〜〜く作られた「ように」見えるけど、あとは放置プレー。「また来年の花火でね!」ではもったえない。

TEDxTokyo yz という名前のカンファレンス運営は単に手段でしか過ぎない、というのが私の見方。TEDが確立したブランドと、TEDx というグローバルコミュニティ構築のスキームは秀逸で、TEDx とそれに付随するキーワードにひっかかる人達のアンテナの張り具合は抜群。そして、TEDxTokyo が去年から培ってきた信頼と価値も日々成長しています。だから、TEDxTokyo yz という新たなる屋号を立てて、それに鼻をくんくんして寄ってくるおいしい若者達をざばーーっと大網漁のように捉えます。そこから、「TEDxTokyo yzに参加してますつながり」だけでは終わらない、メンバーシップとオーナーシップが芽生えるコミュニティへと形をぺたぺたこねこね整えていく。そのコミュニティから、未来のTEDxTokyo あるいはTED のスピーカーになっちゃうようなアクションプロジェクトを立ち上げていきたい。その大きなうねりのような社会システム/プロセスデザインをするのが私の計画です。こういったコミュニティ創り、新しい働き方/生き方を実行するためのプロセスデザインこそ、私の仕事「コミュニケーション・プロセス・デザイン」の中核を成します。

肝は、

  1. 定期的、継続的にTEDxTokyo yz イベントを様々なフォーマット、規模感、テーマでやっていくこと。
  2. TEDxTokyo yz イベントと次のイベントの間に流れる日々の中で、イベント参加者のネットワークが「才能ある人の烏合の衆」に陥ることなく、地に足着いた「生活」「社会」にグイっと食い込めるようなものを生み出すハブにしていくこと。(これはTEDxTokyo yz という名前を掲げる必要はないので、掲げない。)

生まれてから5ヶ月の取り組みです。これからどうなるか。秋には2の方の実験第1弾を打つ予定なので乞うご期待!

Reflection on Actions

新しい人に出会っても、昔からの仲間と集まっても、必ず受ける共通の質問:

「仕事は何やってるの?」

答えは

コミュニケーション・プロセス・デザイナー

「人の営みはすべてコミュニケーションに収束する」というのが、私の世界観を構築する反証のしようがない前提(underlying assumption)としてあります。真理、とでも言うのでしょうか。ここで言うコミュニケーションには、言語、非言語、意識下、無意識下、対他者(1対1から対複数まで)、対自己。さらに、異文化間、多文化間、グローバルなど、さまざまな種類と層が含まれます。

そして、人が集まると組織が形成されます。家族でも、ボランティアでも、友達の集団でも、企業でも、何らかの組織体として捉えられます。だから、人と組織あるところにコミュニケーションあり。

そんなコミュニケーション、「何を伝えるか」の重要性は説かれ、みんな意識を向けて一生懸命になるけれど、「どう伝えるか」の重要性や方法論は軽視されているなぁと感じる場面が多々あります。だから世界はこんなんなっちゃってるんじゃん、と。人は1歳ちょっとの頃から言葉を操り始め、日々コミュニケーションをするので、デフォルトな故にその難しさが見えなくなり、必要な力や技術を育てる環境や仕組みができていないんじゃないかと。コンテンツのプロフェッショナルはどの分野にもいる。だから、それはその人たちに任せて、自分は「プロセス」のエキスパートになろう、という思いで始めたのがコミュニケーション・プロセス・デザイナーです。

2010年上半期は加速的に忙しくなり、久々にギアチェンジしないでアクセル踏み込みまくってました。夏になる前に一段落ついたので、何をしてきたか振り返り。

  • 未来を創るワークショップでグラフィックレコーディング
  • R水素ネットワークでデンマークにあるR水素コミュニティへ取材&ネットワーク構築
  • アダム・カヘンのシンポジウムでグラフィックレコーディング
  • greenz.jp とgreen drinks の新企画プランニング
  • 某米企業の日本進出に関するコンペでの通訳
  • R水素ネットワークで米グリーンテクノロジ—企業とのネットワーク構築
  • 某日系企業内の横断的対話を生み出す仕掛け作り
  • 青山学院大学、青山コミュニティラボでのホワイドボードデザイン
  • ボブ・スティルガーの来日講演でグラフィックファシリテーション
  • 某外資系IT企業の人事/教育のお仕事
  • Dialog Bar 西村氏らとArt of Hosting Japan 開催
  • TEDxTokyo の企画運営統括、チームデザイン
  • TEDxTokyo yz の立ち上げ、コミュニティビルディングとver. 1.0 の開催。初MC!
  • 某米系企業と某省庁の商談の通訳
  • ハワイで開催のThe World Congress on Zero Emissions Initiative の運営サポート
  • などなどなど

コミュニケーションのhowに関連するレパートリーを増やすべく、社会企業、教育、環境、ビジネス、地域活性、都市開発、、、、多岐に渡る分野で、組織形態(for profit, not-for-profit, volunteer, etc.) 、セクターや国の垣根に囚われずに活動しています。

プロジェクトを興し、その中心となる組織をゼロから育て、その組織内だけに収まらないステークホルダー全体を鳥瞰しながら長期的に流れる仕組みを作り、組織内でのプランニングをし、行動に落とし込み、結果を出し、フォローアップをし、調整し、組織の発達段階に合わせてリデザインし、それに準じて仕組みにも手を加え、、という幾重にも連なる入れ子構造的なプロセスのデザイン。これをグローバルなレベルで、しかもローカルにも配慮しながら実行していくプロというのがこれから必ず必要になる。コミュニケーション・プロセス・デザイナーとはそういう仕事だなーと思い描きながら、毎日実践しています。

TEDxTokyo meets TEDxCopenhagen

毎度ながらブログをアップデートするのがのろのろですが、3月12〜21日までデンマークに行っていました。主な目的は、私がコアメンバーとして活動しているR水素ネットワークのお仕事(また別エントリーでブログ書きます)。その前後にちょこっと時間を取ってコペンハーゲンと南スウェーデンを見て回りました。

コペンハーゲンの街並みコペンハーゲン中心街

美術館・ブラッグダイアモンド

コペンハーゲンの第一印象は、スカンジナビアの質実剛健で生真面目なところと、西ヨーロッパの小粋で開放的なところが絶妙に混ざり合っている感じでした。行き交う人びとは「どこで買ったの?」と思わず声をかけたくなるようなスタイリッシュなブーツや斬新なカットをしたコートを着ていて、帽子とスカーフなどの小物使いも上手。でも、乗っている自転車は前にカゴのついた、日本でもお馴染みの古ーーい年期の入ったママチャリだったりして。そう、自転車の多さには驚きました!アジア並み。だけど几帳面なお国柄なのか、赤信号はしっかりとラインの内側で待ち、しかも一台一台ちゃーんと列を作っている。こういう何気ない人びとの行動習慣を発見していくのが、旅先の楽しさでもあります。

無防備に停められた街角の自転車

出発の2日前、せっかくコペンハーゲンまで行くのだから誰かと会いたいなと思ったけれど、デンマーク人に直接の友達はいませんでした。「んー、どうしよ。」とちょっと考えて、「TEDxCopenhagenのオーガナイザーに会ってみよう。」と思い立ちました。早速、TEDxCopenhagenのウェブサイトの連絡フォームにメッセージを書き込んでみると、「TEDxはこうやって世界にネットワークを広げてくれて嬉しい。ぜひ会おう!」という返信がfounderの人から直接届きました。出発直前に届いてよかった。「やったぁぁぁ♪」と小躍りしながらパッキング。founderの名前はLærkeと書いてありましたが、性別も発音の仕方もいまいちわからないまま出国。あとから教えてもらったのですが、Lærkeとは英語のLark、「ひばり」ちゃんだそうです。

成田から直行便のSUSでコペンハーゲンまで9時間弱。思ったより全然近かったです。ちょうど成田ーサンフランシスコがこんなものなので、機内に入って2時間して最初の食事、それから寝て2回目のご飯で起こされて、食べて1時間くらいしたら着陸、という慣れたコースでした。着いた日の午後はロイヤルコペンハーゲンの経営するカフェに行って、ロイヤルコペンのカップでおいしいカフェラテを飲みながらフリーwifiを満喫。夜はGreen Drinks Copenhagenも行なわれているというオーガニックレストラン、BioMioでディナーをして終了。

ロイヤルカフェ

翌朝、Lærkeが愛用のグリーンの自転車に乗って宿まで迎えに来てくれました。小柄なアジア人女子は私しかいなかったので、ロビーですぐに見つけて声をかけてくれました。Lærkeは真っ白くふっくらとした頬、きゅっとした鼻、淡いプラチナブロンド、「the 北欧」といった容姿の女性。中心地から少し西に外れたところ(と言ってもコペンハーゲンは小さいので徒歩圏内ですが)にある彼女の行きつけのカフェでデンマーク風ブランチをいただきました。

ハニーヨーグルトおいしかった!

午後は市内を横断するようにお散歩。Lærkeが働いている会社、Wemindのオフィスにも連れて行ってくれました(偶然にも彼女は私と同業♪)。これがまた、北欧ってこうよね!というイメージそのもの。古い建物の内部がリノベートされた、広いステュディオタイプのオフィス内に、洗練されたモダンな家具とアートが無造作且つセンスよく配置されている居心地のいい空間でした。羨ましい。

オフィスのあるビルのドアを開けるLærke

ああ、広い!

前に借りていた人たちはアーティストだったらしく、壁には絵が描かれていました。

電柱と切れた電線

キッチンには小鳥たち

マガジンラックと古いラジオ

トイレのドア

この空間の取り方は日本人にも似てる

このエッジのきき方がコペンハーゲンか

ポストイット

薪で埋め尽くされている壁

土曜日だったので、Lærkeはこのスペースを解放してヨガワークショップを企画しており、続々とコペンハーゲンのヨーギ達がやってきました。というわけで私は、仕事が終了してからLærkeと再会することを約束してオフォスを後にしました。TEDxオーガナイザーとしての繋がりだけでなく、今後、お互いの国で仕事のプロジェクトを起こそうと盛り上がりました。楽しみだな〜。

2月16日夜7時

来週2月16日(火)夜7時より、表参道のシナグロというカフェで行なわれるダイアログBarにゲスト出演します。

  • コミュニケーション・プロセス・デザインって何ですか?
  • グラフィック・ファシリテーションって何ですか?
  • TEDxTokyoって何ですか?
  • R水素って何ですか?
  • っていうか何をやってらっしゃる方なんですか?

そんな疑問にお答えします。

仕事のコンセプト、将来のビジョン、それに向けて今現在どんなプロジェクトに関わっているか、お話するつもりです。

また、日本ではいまだ大きなマーケットとして認知されていないフィールドに、社会人経験ゼロでいきなりフリーランスとして飛び込み、どのように開拓していっているか、私自身のプロセスを描きだし、みなさんとシェアしたいと思っています。

それからワールドカフェをします。

参加ご希望の方はnaho.iguchi@gmail.com か info@dialog-bar.net(事務局:西村)宛にご連絡ください。

□ 会費 4,500円/人
(会場費、食事・ドリンク代、諸経費として)

『当日スタッフ&お手伝い枠』
参加費 2,500円/人
※学生や若手社会人などで、経済的に参加費が高いと感じるけれども
テーマやゲストに強い関心がある方を優先します。
※当日スタッフ枠は【7名】です。
※この参加枠は「対話の場を支える基金(仮)」によって運営されています。
(詳しくはこちら)
http://positivelearning.seesaa.net/article/138807749.html
※お手伝いの内容は、
・広報(お知り合いに案内文を転送、ツイッター、ブログなどで告知)
・ツイッター中継、ブログ報告or当日のレポート
・当日の設営と片付け
プラス
・ビデオ撮影や映像のアップ等それぞれが出来ること
・他、思いつけば何でも

よろしくお願いします。