フリーランスになったきっかけ

会社勤めの経験がないまま、学生からいきなりフリーランスになることは珍しいとよく言われます。どうしてこういう道を選んだのか、何が決め手になったのか、不安はなかったか、色々な質問を受けることが増えてきました。答えているうちに、いくつかの判断材料が見えてきたので書いてみることにします。

背景として、中高時代からずっと留学したいと思っていました。最初は大学在学中に1年交換留学と思ったけれど、いざ大学に入るとおもしろかったから、これを1年削るのはもったえないなと。日本の大学にいるからこそ得られる優位点は山ほどあったのでそれを満喫したいと思いました。さらに、大学3年になって徐々に自分の得意分野(心理学を使ったなにか)が見えてくると、学部生中に1年留学するだけでは自分が修めたい学問をすることは無理だと気づきます。じゃ、まずは4年きっちりやって卒業しちゃおう。

代わりに、就職活動期になって大学院留学の意志を固めました。主な動機は至極単純。

「大学で学んだことを直接使って食べていける仕事をしたい」

でした。

要は、好きなことだけして生きていきたかった。

そのためには、好きなことを追究しないといけない。仕事的な感じで言い換えれば、専門性を高めないといけない。専門性を高めるならば「好き」だけでなく、自分の生まれながらの性質に合っていて自然にできることがいい。それが私にとっては、心理学系のなにか、でした。

卒業後1年半ほどは日本でのらりくらりとし、それから渡米します。学校選びから院受験まで現地で行い、渡米後2年して大学院に入ります。修士とその後のトレーニングでさらに3年。計5年アメリカで過ごします。

日本への帰国は突然決まり、まっさらな状態でした。アメリカでの就業経験ゼロ。日本での社会人経験もゼロ。ネットワークはまるでなし。おまけに「そんな分野は日本にあるの?」と言われるような仕事だったので、一体どうやって働き始めるのか、雲を掴むようなもの。就職すべきかフリーランスでいくか、どちらも魅力的でどっちがいいのかさっぱりわからない。ヘッドハンターに会ったり、アメリカ時代のメンターに相談したり、親友や兄貴姉貴分たちの考えを聞いたり、模索が始まりました。当然アドバイスを与える側も「まずは組織に入らないと」という人と、「専門性を活かして自分で何かやった方がいいと思う」という2派に別れます。

なので、企業に就職する線とフリーランスで進む線の両方を同時並行で進めていきました。文字通り唯一のコンタクト(頼みの綱!)であった、院生時代に研究のためにインタビューした都内の小さなブティックコンサルティング会社に交渉してインターンシップを始めつつ、大手リクルーティング会社や個人ヘッドハンターと正攻法の就職活動をひたすらやっていきました。日系、外資、大手、中堅、ベンチャー含め、4ヶ月で30〜40社当たったと思う。リーマンショックの起こった2008年9月から就職活動始めたという強運の持ち主(笑)。いまさら考えてみれば、踏んだり蹴ったりだったのだなぁ。でも当時は、青天の霹靂のような人生の転換と、アメリカから日本という環境の変化のおかげで、ニュースから縁遠い生活を送っていて、そういう認識が欠如していた。逆にその鈍感さがよかったのなと思います。

4ヶ月経って最終面接までいった数社も採用をクローズし、「ふーむ。」と思って明けた2009年。とあるネットワーキングの会で、私がフリーランスの道をさくっと最終決定するきっかけが起こります。TEDxTokyo の共同創始者の1人、Todd Porterとの遭遇です。その時に彼と話した時間はおよそ10分。名刺を交換し、お互いが何をやっているか、それはそれは抽象的な話をし、「何か一緒にできるかもしれないね。」で終了。

でも、私の動物的嗅覚が働き、帰宅後すぐにメールして1週間後にランチミーティングをしました。さらに数日後には彼の家に集まり、TEDxTokyo の目指す大きなビジョンに向けてのブレインストーミングと、カンファレンスに向けてオペレーションチームを育てるというタスクに取りかかりました。

そして、就職活動をパタッとやめたという次第。

そこからは自然発生的に流れるままに、いただく仕事を受けて今に至ります。

人生のターニングポイントにおける決断は、直感に従う。これに尽きる!

ただ、その時の直観だけではなく、やはり過去から今、未来へと向かう時間という歴史的要素(=私の場合は中高時代から感じていたこと、考えていたこと)が現在、何かを判断したり決定する時の源になっていることは確か。直観は、自分の奥を脈々と流れる深い河を見つけ、どんどん上流へと遡ってその水源を発見することによって、研ぎすまされていくのかもしれません。

その他にも、より実際的な判断材料がいくつかあるので列挙。

  • 自分がどういう環境でもっともハイパフォーマンスになるか、条件を考える。

私にとってのハイパフォーマンスの定義は

  1. 第一に心身ともに健康
  2. 次にモチベーション高く
  3. チームプレーをしながら
  4. 求められる以上の成果を出す

もともと臨床心理に関心が高いような人間なので、人間関係には異常に敏感で、見なくてもいいものが見えたり、気にしなくていいことを気にしすぎる傾向があります。特に、自分と誰かの関係が悪いことより、自分の所属する組織やグループ内での他メンバー同士の不和や衝突が多大なストレスになります。周りを気にする小心者の側面があって、グループとしての調和をものすごく重要視する性格。そうなると、会社勤めってストレスの塊。やりたい仕事、すべき仕事以外の要らぬしがらみが多い組織体の中でハイパフォーマンスは無理だろうな、胃腸や精神を痛めて終る可能性大だな、と思いフリーランスを選択。

  • 自分と組織との関係性を捉える。

小さい頃から一つのグループに所属せず、複数グループを渡り歩く独り癖がありました。それは今でも変わらず、一つの組織に属することに執着がないし、逆に違和感さえ覚える。いろいろな組織に同時的に属し、それを繋げていくのが自然体。だから、プロジェクトベースで動いていくノマド・ワーキングスタイルがぴったりしていました。


  • 心と体のケア。どういう環境下だと健康を維持できるか。

いい仕事をする前に、生きていくのには健康第一。心と体を大事にするのは私の責任。だから、体調が良くない時に素直に「よくないので休みます」と言える環境を作ることが絶対条件でした。ちょっとお腹痛くなる度に「やすみまーす♪」と言うわけではないのでご安心を!そりゃーもちろん、激しく体が弱ってるのにやらなきゃいけないこともあります。でも、それをやり抜いた後に、数日寝込んで回復することが許される環境、というのでしょうか。


  • どんなライフスタイルをデザインしたいか

カリフォルニアのベイエリアという地域に5年住んで帰国したので、時間と空間に対する認識に大きな変化がありました。時間がかかっても空いてる普通電車、という風に。年齢を重ねる毎に体質の変化もありました。混んでる場所では人酔いするようになってたし、夕方4時以降にカフェインを摂取すると夜眠れないようになった。平均睡眠4時間がどれだけ続いても持っていた体は、今では8時間ほど欲するように。体はどんどん正直に、私に訴えかけるようになってきていました。それに、どうして東京ではこんなに就業時間が多くないと仕事が回らないのか不可思議で仕方なかった。たまの数ヶ月に激務ならいいけれど、東京の人は年がら年中忙しくて、平日の夜に会えるのは夜8〜9時過ぎ。遅いと10時以降!そのくせバケーションもほとんどない。

「なんで???」

意味がわからないことはしなーい!ということで、混んでる時間帯に電車に乗らずに済み、自宅のある逗子でのんびり仕事をすることが可能で、タイミングさえ見計らえばしっかりバケーションを取れる、そんなライフスタイルを創っていける在り方を選びました。

  • 3年後にどこにいたいか想像する

日本に帰国する時に「3年でまた海外に出る」と決めていました。なんとなく。ほんとーになんとなく。私が社会に出た年齢は29歳。大多数の同い年と7年のキャリアギャップがあります。それだけの実りを3年間に凝縮して、海外へのステップアップを図るには、組織に入ってしまうとなかなかハードル高いだろうなーということでフリーランス。一般的に、フリーランスの方が移動/転居の選択は自由ですしね。今でも2011年末から2012年のどこかで海外に行きたいと思っています。別に具体的な案は何もありません。

こんなところだろうか。

2 thoughts on “フリーランスになったきっかけ

  1. ikuyasakuto says:

    おつかれさまです。記事をさかのぼって読ませていただきました。記事のおかげで数年後の自分を決めるために、今日の自分がやらなければならないことがより明確化しました。”プロジェクトベースのノマド・ワーキング” とてもピッタリとはまりました。ありがとうございました。

    • communicationprocessdesign says:

      メッセージありがとうございます。私の考えていること、経験したことが、何かのきっかけになったのならとても嬉しいです。これからも書き綴っていきますので、たまに遊びに来て下さい。よろしくです!

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