流れる

ビザ申請のために私に美しい推薦状を書いてくれたアーティストのスタジオに遊びに行ってきたよ。彼の作品は基本は木版画だけど独自の手法を編み出していて、私たちが木版画と聞いてイメージするものとは違います。サイズは2x4メートルといった巨大なものばかり。圧巻でした。アートモチーフは何かと尋ねたら「僕の哲学だよ。哲学を言葉で書かずに僕は視覚的に表現するんだ」と言っていました。

マホガニー製の巨大な円形の水で渦を作る装置(水の動力を利用している。渦の中心に人が立っても水がかからないように設計されている)の小型版がスタジオにおいてあったので、水を入れてもらいました。作った動機は「渦の中心にいるのがどんな気分かを溺れることなく体験してみたかった」からだそう。さすがアーティストな発想!水は一番早く流れる道筋を選ぶ性質があるそうです。Water naturally chooses to move the fastest. I’m very fascinated with the fact!

他に、酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出すの私たちの呼吸の性質を利用して、人の吐く息を貯めていってダイアモンドを作る装置を化学者のお父さんと共同で開発したのだ!!!彼の息でできたダイアモンドも見せてもらいました。

絵画、版画、建築、工学に物理学、化学まで使ったアート作品たち。

Martinとの会話でとても示唆的だったのは、化学の側面から言うと、この世界で物質は「無くなる」ことは決してない、という事実。原子の繋がりや組成が変わることで質や形が変わるけれど、構成する要素は決して消えてなくなりはしない。常にこの世に存在している。木が燃えて灰になっても原子レベルでは同じ(バランスは変わるから物理的には木はなくなっているけれど)。

この言葉に、とある友人が言っていた「お金が減るのは勘違いだと思う」という意見を思い出した。お金を払ったり消費して、お金がなくなる、減ると認識する私たち。でも、本来は手元からお金がなくなる、減っているのではないのかも。お金を使うことは化学変化と同じようもの。

ナホのいる生活を始めたのは、旧来的なお金の観念のように私が「払う」「消費する」「取られないように守る」のではなく、私の体をメディアとして、お金というエネルギーが流れてく(currency)状態にしたい想いがあったから。化学からヒントをもらった夜でした。

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