サンフランシスコの北西に位置するゴールデンゲートパークの中に、California Academy of Science という科学博物館があります。約2年前に改築リニューアルオープンしたのでまだまだ新品。ここでは月に数回、平日の夜6時から深夜近くまでバーカウンターを特設し、人気のテクノ/ハウスのDJを呼んでクラブのような雰囲気を出しながら、キックの効いた爆音とお酒を片手に科学と触れられるという「これぞ大人の遊び♪」というcool eventを開催しています。
ここで、友達のソーレンの仲間が「Science of Tarot」という特別エキシビジョンをやるというので行ってきました。タロットという最も科学から遠そうなものを科学的な視点から捉え直し、タロットカードの絵柄をリデザインするというのが主旨です。
博物館内はほとんど仕切りのない箱状になっていて、各ブースはガラス張りの壁になっています。
建物の中心には1〜5階までぶち抜きの球体がふたつドカーンと入っています。1つは天井180度すべてが3Dのプラネタリウム。この建設には、ロシアンジュー友達のマキシムが関わっていました。企画面というより実際のインストールをやっていたみたい。誇らしい!(ちなみに彼はBurningMan 2010のTemple of Flux も建設しています。)
プラネタリウムの内容は、宇宙の中でも特に太陽系がどう生まれたか、太陽を軸にしたストーリーテリングになっていました。
もう1つの球体はジャングルを模した植物園になっています。こちらの球体も全部ガラス張りなので、博物館内の遠い所からでも見える。
屋根はサステナブル建築で注目のグリーンルーフとなっています。その名も ‘The Living Roof.” しかも、2つのドームが屋上に突き出しているので、緩やかな丘陵のような風合いになっています。この緑の生い茂ったドームを見ながら、ミモザを飲みつつ中秋の名月を楽しんできました。極上。この屋上は、イギリス屈指のサステナブルエンジニアリングや建築コンサルティング会社Arupのサンフランシスコ支社が手がけていて、偶然その時サンフランに来ていたオーストラリアのArupに勤めるBensonからそのことを教えてもらいました。
1階の床から地下にかけて水族館になっているので、プラネタリウムや熱帯植物園の球体に入る列に並んでいる時に、足下を泳ぐサメやエイの優雅な動きを楽しめて飽きることなし。吹き抜けになっているところでは1階から地下の水槽が見れます。
地下にはシダ植物やコケ類で飾られたハイエンドなレストランバー “The Moss Room” なんてのもありました。
その他、アフリカのサバンナに住む動物の剥製が展示してあったり、その剥製を精製するために生物学者が働くラボが見れたり(ここもガラス張りなので、実際に学者さんたちが手術台で動物を取り扱っている様子が見れる)、恐竜のこと、地層のこと、人類大移動のこと、原生動物のことなど、宇宙と地球の生態系を多様な自然科学の領域を横断する形で捉えられるようになっています。博物館自体の設計のおかげで、身体的にも、そして認知的にも、宇宙科学、地層学、人類学、海洋学、エネルギー化学、動物学、生物学などに本当ははっきりした境目はないのだ、ということを体感できるようになっています。空間デザインの力。
California Academy of Science では、地球環境とどのように共存していくか、サステナビリティーも大きなテーマにしているようでした。カリフォルニアで起こる地球環境変化に関するブースには、私が一緒に仕事をしているH2Technologies の太陽光から生み出された電力を水素で貯蓄し、発電に活用する「R水素自転車」が展示されていました。H2Technologies はハワイにあり、太陽光、風力などの再生可能エネルギーから生成した水素を、エネルギー問題を筆頭に地球環境の難題に取り組む具体的解決策として、研究開発をしているハイテクカンパニーです。
Colleague, Tak の名前が出ています!
太陽光などの自然エネルギーと、その不安定な供給を「貯蔵」することでバランスアウトしてくれる水素はドリームコンビネーション。
んで、Science of Tarot はどんなだったかと言うと、サンフランシスコのwicked people が集まるおかしなパーティーでした。アフリカの動物の剥製と、本物のペンギンの水槽が何故か一緒に展示されているブースに、科学的にタロットカードを表現し直したらどうなるか、手作りタロットカードの絵が並んでいる中に
こんな人や、
こんな人たちがくつろいでいました。
タロット占い師も来ていたよ。